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ヒョンミの美味しい焼肉・韓国食堂・居酒屋100軒
 
 


山水(埼玉県西川口)

山水(埼玉県西川口)のお店の写真読者の人々はすでにお気づきであろうが、紹介するお店が西川口方面に若干の偏りがあるのは筆者が西川口の住人であるため。韓国料理=プルコギ、サギョプサルなどフ“焼きもの”となりがちななか、韓国家庭料理でしかも、下調理をきちんとした、さっぱりとして、おいしい魚料理をだす数少ないお店、西川口の「山水」を今回は紹介します。西川口のインターネットタウン情報「みんなの西川口」付属メーリングリストでも「ぼくもいったよ〜」「山水にデビューしました」とか、なにかと話題になっているお店です。

西川口駅西口を背にして大通りをまっすぐイトーヨーカドーや済生会病院方向へ7,8分。お店はとてもわかりやすい。なぜか韓国を連想させるような“濃い”看板はなく、なかは日本の小料理屋を思わせる。このお店、先代の韓国人オーナーが韓国風お寿司屋にするつもりで設計したらしいが、当時は突飛すぎてお客が集まらず断念したのだそうだ。いわれてみればお寿司屋さんの内装だし、お店の名前も「山水」となんだか和風。お店には若いころ、さぞかし美人だったろうと想像するが、背が高くて柳腰の店主兼料理アジュマ、金貞愛(キム・ジョンエ)おばさんが一人でいた。もうすぐ70歳のおばさんはとても美しい日本語を話し、物腰は上品で、アジュマと雑に呼ぶよりは、アジュモニ(おばさま)といった風情。戦争中に朝鮮半島からお父さんが早稲田大学に留学し、下関で韓国人のお嫁さんをもらって、生まれたのが貞愛おばさん。その後、門司、長崎と、九州を転々としながらおばさんはおよそ1年間、日本の小学校に通った。戦後一家は韓国に引き上げたが、子どもの手がはなれて一人ぼっちになってしまったおばさんは、日本での生活を懐かしく思い、親戚をたよって7年前に来日、現在は日本人のご主人と再婚して暮らしている。おばさんは「日本に帰ってこれてとてもうれしい」という。「山水」の料理番として店をあずかったのは3年前のこと。今ではおばさんが店主になり、もう2年ほどになる。
韓国語でウリチプパンチャン、家庭で食べる手作りのおかずのことだが、一人暮らしではなかなか食べれない韓国風の煮魚料理がうけて、地元のインターネット情報やクチコミで日本人の独身サラリーマン、韓国、中国の留学生がお店に集まってくるそうだ。

1.お店の仕入れや営業の工夫はどうしていますか?


山水(埼玉県西川口)のママさんの写真わたしみたいな年寄りはあっちこっちと市場に出向けないので、近所のよしみで韓国食品店さんにお願いして鮮魚、野菜、乾物など一緒に仕入れてもってきてもらっています。その折々に世間話もしますけど、2002年をむかえる韓国ブームとはいえ、日本の景気に大きく影響されているのは本当で、西川口の韓国系飲食店は、どこも思ったより景気が悪いですね。韓国のホステスさんに「お客さんつれて食事にきてよ」といっても、「おばさん、その肝心なお客さんが来ないのよ」といわれます。うちも自衛策で、もうけ抜きで、お昼のランチを始めました。ランチは3種類、@テンジャンチゲ定食(韓国味噌鍋) Aウゴジクク定食(ウゴジ菜のスープ)Bソコギトッパプ(韓国風牛丼)、どれも800円〜900円で1,000円をきる値段にしています。これで、ちょっとでもご近所の方にお店を知ってもらえたらと思っているのですけど。

2. 味へのこだわりはありますか?

山水(埼玉県西川口)の料理の写真うちは化学調味料ダシを使わないってことが基本ですね。本当なら捨てるようなクズ野菜やエビの殻、椎茸のイシヅキなんかでダシをとったりしているし。タマネギやリンゴ、梨をすってミリンの代わりの甘味にしたり、魚好きな日本人にもうけるさっぱり味を大事にしていますよ。アンコウやスケソウダラなどはさっと湯通しして下調理をしてから本格的に料理を始めます。でないとアクとか臭い、苦みなどがでてしまうし。でも、若い韓国居酒屋や食堂の人は「アクも味のうち」なんて下調理をしないで乱暴な作り方をしている人もみかけるけど、なさけないですね。うちで、珍しいものでは、韓国のチュジャ島からとりよせているチュジャジョッというカタクチイワシ類の生塩辛をだしていること。臭いがかなりきついけど、韓国人で好きな人はこれだけでご飯が食べられますから。珍味ですね。チュジャジョッには、ニンニク、青トウガラシ、コチュカルなどが混ぜてある。魚好きには試してほしい珍しい味。それから、醤油だけで漬けたケジャンがあります。漬けて3日目が食べごろです。ケジャンはおいしいけど、いたみやすいので、売れ残ったものは4日以後には全部捨てます。だから、コチュジャン風味のケジャンを出しているお店にあえて苦言をいいたいことがありますよ。いくらトウガラシに防腐作用があるからといっても限界があります。とくに海鮮をつかった場合はね。冷蔵庫で保管しているとはいえ、7日〜10日もたっているものを平気でお客さんに出しているのには閉口します。日本のお客さんはトウガラシの辛さでお腹をこわしたのか、カニが悪くてこわしたのかわからないでしょうけど。(苦笑)わたしは慶南道の三千浦(サムチョンポ)という海辺の出身なので、ちょっと魚のあつかいにはうるさいですよ。おばさんの魚料理はみな、食べているときは滋味があり、食べた後では口の中はあっさりしている。毎日食べても嫌にならない、また食べたい、これをウリチプパンチャンというのだろう。

3. 変わったお酒をおいてますね?

山水(埼玉県西川口)のお酒の写真韓国の薬草を使った健康にいいお酒をおいています。ウメ酒色をしているのがイカリ草(漢方名は淫羊蕾)という滋養強壮の薬草をいれた「生補薬酒」で男性向け。シソ酒色というか茜色をしているのが済州島の婦人病にいい百年草をいれた「黄真伊(ファンジニ)」というお酒です。黄真伊とは韓国の有名な美女です。そして教養のある女性の代名詞みたいなものですね。両方、飲ませてもらったが、甘さひかえめの食前酒といった感じ。特に黄真伊のほうは天然の色なのだが、とても美しいルビー色で、ロマンチックな女性向けのお酒。

4. お客様へ一言


山水(埼玉県西川口)の店内の写真日本であとどれだけ長生きができるかわたしもわからないけど、日本人のおじさん(ご主人)とどうにかこうにかおたがい助合って暮らしてます。年なんで身体の限界もあるし、目先のもうけ話に惑わされず、地道にやることこそ大切なのではと思います。だから、お金もうけにはあんまり頓着してません。ただ、こっちには娘もいないので、若い人がときどきわたしが元気でやっているか見に来てくれて、お茶飲み話をしていってくれればそれで充分と思っています。日本の若い人たちは、やろうと思えばどんどん、なんでもやれるいい時代に生まれてこられてうらやましいです。子どものような探求心をもって、もっと気がねなく韓国を訪問してほしいですね。日本ではまだ紹介されていない、おいしいものも沢山ありますよ。「韓国の習慣、料理に興味があったら教えてあげるからいつでもきなさい」という、やさしいアジュモニに魅せられて「山水」に足繁く通う日本の若者や主婦もいるようだ。アジュモニはいつもだれかと話をしたそうに、ちょっぴり寂しそうな笑顔で待っている。

5. 試してみたいメニューレシピ


東京・埼玉近郊では「山水」だけでしか食べられないはずという極めつけの魚料理。
テグとはスケソウダラのこと。ポルチムはポルだけだと頬という意味もあるが、“おカシラまるごと煮”という意味あいだろうか。

「テグポルチム」
(3〜4人前:3,000円)

山水(埼玉県西川口)の「テグポルチム」の写真<材料> タラの頭2〜3頭、ゴボウの皮 1本分、エビの殻 5尾分、醤油 大さじ3杯、コチュジャン大さじ2杯、砂糖小さじ1杯、コチュカル(粗挽き)少々、すりおろしタマネギ1/3個、豆もやし1袋、おろしニンニク1片、セリ1/3束、ネギ1/2本、いりこの粉少々、ごま油少々、お酒少々

<レシピ>
生のタラの頭はよく洗ってから冷蔵庫の冷凍室へ。カチカチに凍ったら水にひたしてゆっくり解凍する。ゴボウの皮とエビの殻で300ccのダシをとり、濾したダシをいったん冷やす。冷えたダシに解凍したタラの頭をいれ、中火にかけ、アクを丁寧にとりながら、煮立ってきたら弱火にし、お酒は少々くさみとりにいれる。水が約200cc程度に少なくなってきたら、醤油、コチュジャン、砂糖、コチュカルとすりおろしタマネギをいれ、ひと煮立ちさせ、その後、豆もやしをかぶせるようにいれて蓋をする。強火で約1分。もやしにサクサク感をだすためには、もやしを煮る間は鍋の蓋を絶対にとらないこと。もやしを煮る時間のカンどころは慣れた韓国の主婦でも大変難しい。もやしが煮えたら、蓋を取っておろしニンニク、セリ、ネギをいれ、すぐ火を消し余熱で調理する。最後の仕上げに、いりこの粉、ごま油をふりかけてさっくりと混ぜ、できあがり。

 

 
2001-11-20掲載
   
  ショップデータ
山水
住所 埼玉県西川口2-11-9
TEL 048-255-2665
営業時間 昼12:00〜深夜3:00
定休日 日曜
席数 13席
花見料理、宴会料理、韓国風おせち料理、お弁当、キムチ等予約にて作ります。

お店移転のお知らせ
2001年10月3日に韓国家庭料理&食事処「山水」はみなさまのご支援をうけて、西川口2-11-9 韓国家庭料理・焼肉「ナリ」に移転新装オープンいたしました。電話番号等には変更ございませんので、今後ともよろしくお願い申し上げます。



Kライター:高R美


no.1 韓国居酒屋KING(新宿) no.2 珍古介(ジンゴゲ)(赤坂)
no.3 大口(テグ)食堂(池袋) no.4 居酒屋七(はちのまえ)(川崎市) 2003年閉店
no.5 萬人荘(川口市) no.6 コリア・スンデチプ(新宿)
no.7 梁の家(新宿) no.8 アレンモク(上野)
no.9 柳屋(新宿) no.10 済州島(埼玉県蕨市)
no.11 韓国の味(茨城県つくば市) no.12 焼肉大和(東京都台東区)
no.13 山水(埼玉県西川口) no.14 山田屋(東京都荒川区)
no.15 錦山閣(埼玉県川口市) no.16 泉(福井県福井市)
no.17 味の豊田屋本店(埼玉県川口市)      


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