済州島は韓国最南端の島。島には暖流が流れ、観光地としても有名なところ。その済州島が埼玉の蕨にあるといったらどうします?一度はいってみたくなるかも。埼玉県蕨市にある、独身サラリーマンや地元民でお店はいつもぎっしり、毎晩にぎわう韓国居酒屋済州島をレポートします。 |
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1.ママ、キム・ヘギョンさん、お店の略歴など。
生まれも育ちも済州島です。三河島(済州島出身者が多い)のおばさんをたよって10年程前に来日しました。日本にきて落着いた2、3年後かな、なにかお店をやりたいなと思ったんだけど、わたしが飲食店経営は、まったくの素人。専門的な韓国食堂は無理だろうと思い、隙間商売感覚で韓国家庭料理中心の居酒屋を考え、平成5年7月に戸田市で居酒屋を始めました。戸田は競艇がさかんで、韓国居酒屋がめずらしかったこともあり、わたしの覚えたての日本語が面白くてからかってるのか、女一人で韓国人がきりもりしているので心配しているのか、競艇流れのお客さん、地元のお客さんが自然に集まってきました。そこそこ儲かり、店が手狭になったので、平成11年4月にお店を少し立派にして蕨に移転させました。 |
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2. お店のネーミング
お店の名前「済州島」は、日本のお客さんになじむようないい名前をあーでもない、こーでもないと悩み、韓国の占い師さんにまでお願いしていくつかいい名前を提示してもらったにもかかわらず、なかなか決まらなくて。結局わたしが済州島出身でしょ。だから単純明快、「居酒屋済州島」に落着いたの。まぁ、「済州島=韓国」という看板をかかげていればなつかしく思う韓国人や、済州島に観光にいったことがある日本の方が話のタネにきてくれると思っていたのもあるけど。でもね、お店の名前には思ってもみなかった副産物もあったわ。お店に関連するノベルティー(例えば、看板、店名入りオリジナルライターなど)も本国の済州島で安く注文できるし、韓国で格安で買ったロゴが日本でそのまま使えるということ。まずは、蕨の店は間取りが当初スナックだったので、料理を出す居酒屋にするのに模様がえ。さっそく改装しました。看板は一度でもお店にはいっていただければ、必ずわたしの魅力で(笑)何度もきていただけるという自負心から、「とにかく入ってよ」とできるだけ目立つものをと考え、ネオン看板は当初、韓国の強い虎をイメージして黄色と黒なんてどうかなって思ってた。でも、もっと韓国イメージを出してということで、オレンジと濃紺という韓国的配色にしました。逆に内装は落ち着いてゆっくり飲める雰囲気を大切にしたクリーム系の色彩にしてみたの。 |
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3. お客さんの層と時間帯はどうですか?
うちは11:00pmまでは独身のサラリーマンがきて、飲んでわたしと世間話して、ちょこっとご飯を食べてというパターンが多いわね。深夜の12:00すぎると蕨や西川口の韓国スナックが終わったあとのホステスさんとそのお客さんがアフター、"飲み&歌"中心でこられます。独身のお客さんに対しては、話相手になったり、「ちゃんと食べてるの?」と食事の心配をしたりしてます。できあいの料理を電子レンジであたためて出すようなことは絶対にしない。簡単なつきだしでも、ちょっと工夫して簡単に手作りするのはお客さんへの気持ちです。大手のチェーンレストランなんかでは店で調理しないで、すでに調理、冷凍されたものを解凍・あたためて出しているようだけど、なんでもう少しだけ手をいれて「解凍・あたため+α」の心のこもったものを出さないのかなぁと思います。
その日のつきだしはナスの韓国風煮浸し。塩ゆでしたナスを手でさいて、醤油、ゴマ油、砂糖少々で煮浸しにしただけ、しごく簡単なものだとママがあっけらかんとしていう。
実はこのお店、蕨が産んだ演歌歌手、西山ひとみさんがお忍びでくる、お気に入りのお店。西山さん、お客さんのリクエストにはいつもにこにこして、自分の歌や「チェ・ウニ」の歌などをサービスをしてくれている。 |
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4. メニューの工夫、味の工夫は?
定番メニューはおなじ材料でできるもの、例えば、ジャガイモの炒ナムルとジャガイモのチヂミとか食材の無駄がでないようにしてます。また傷みやすいものは日替わりメニューにして食材がなくなり次第、メニューは終了。小さい店ながらのメニューをあれこれと工夫しています。メニューひとつひとつの値段は400円〜800円まで。手作りナムル数種類をのせた石焼きビビムパップもうちは800円です。オモニ(お母さん)が来日しているときは、済州島の郷土料理やお酒が緊急支援メニューとしてでます。珍しいものは、アワビの肝のキムチとか。済州島の辛口焼酎「漢拏山(ハルラサン)」とか。 |
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5. お店のことで困ったことありますか?
当初、客層のターゲットをご近所にある芝園団地の人々って思っていたけど、それは簡単なことじゃなかったの。新参者が地元の人々と信頼関係をきづくって難しい。本当の意味でお客さんを引くには時間がかかるし。インターネットと地道な営業で知名度を徐々にあげる努力をしてやっと2年前から軌道にのってきたのはいいけど、旧店舗の戸田派のお客さんと新店舗の芝園団地派で、おたがいライバル意識をもやしちゃったのか、新年会とかで火花が散って、仲裁にはいるの大変だったわ。ここんとこお店の人気が過熱ぎみなのが悩みね。ちょっと困惑してます。あるお客さんなんか2時間おきに電話よこして、空席ない?といってきてくれたけどず〜っと満席で、結局最後まで席が空かなくて、悪いことしちゃったし。一番すごい事件はね〜。ストーカーまででたのよ。もう帰ろうかなってお店を閉めて自転車に乗って帰ろうとしたら、男性が外で待ち構えてた。それで「ママ、けけけけっ、結婚してくれ〜。」って急にいうの。もう、超びっくり。えぇ?なんでなんでわたしなのぉ!?って感じ。仕方ないんで常套手段、「わたしダンナと子どももいるのよ〜」っていってやんわり断ろうとしたけど、聞いてくれない。開き直ったのか「じゃぁダンナ、子どもと別れて僕と結婚してぇ〜」って自転車の後ろを引張って追いすがられちゃった。「うぎゃ〜!!なにすんのよー!!」って思わず足蹴りいれたけど、その瞬間に自転車ごとずっこけて、手足をすりむいちゃうし。(苦笑)またある時はね、帰りがけにヒタヒタとだれか家までつけてくるし。怖かったわよ〜。
数ケ月前は外に干してたママのガードルも盗まれたそうで、これが全部ママのファンがストーカー化してのことであれば、すごすぎる。
カンバン間近の時間。女性のお客さんが嬉しそうにママと和気あいあい、厨房で洗い物のかたづけを手伝っている。ママさんとアフターにいくので、うきうきして手伝っているみたいだ。でも一瞬「もしかして、そーゆー趣味が!?」と疑ってしまったぐらい仲がよさそうなのは?????このお店、男性客も女性客もみんなママの熱烈なファン。いったいどーなってるの?!
お店が狭いので、カウンター席とテーブル席の全体的すき間があまりない。テーブル席で、席をたった瞬間にうっかりテーブルをゆすってしまいグラスをよく倒しそうになる。そんな時、カウンター席の常連さんがよく心得ていて振向きざま、反射的にテーブルをしっかり押さえてくれるという心遣いまでしてくれるのにはまいった。 |
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6.ママの魔力!?
ママは10代のころはモデルさん?という目ぱっちりの美人。ルックスもさることながら、くったくのない笑顔が一番の魅力だ。済州島の焼酎「漢拏山(ハルラサン)」を気前よくふるまってくれたり、ノリ具合では自らマイクをもって歌ったり踊ったりとお客さんの気持ちをもりあげてつかむのがうまい。敬遠されがちなお年寄りのお客さんのよき話し相手でもある。顧客サービスもかねて店を閉めたあとにつきあいで飲みにいったりするはしょっちゅう。なにしろ酒が強くて強くて、どんなに飲んでもケロッっとしているのでご近所でも有名。ママいわく「酒に飲まれてだらしない同業者が一番嫌い」とタンカをきる。
また、近所にオープンしたお店があれば、挨拶まわりにくるのは当然だと主張する。こないお店に対しては「くそ、挨拶にまだこん!!失礼なやつだこと。」とはっきり好き嫌いをいう。きっちり仁義をきる、きっぷがいい性格。ママはお客さんを大事にするコツを知っていると思う。料理はすべてママの手作りだが、凝って豪勢なものは一つもない。本当にシンプルな韓国のおそうざいが多いが、お客さんの目の前で自分で手早く、せっせとつくる。そういった気持ち、話題のおもしろさ、歯切れのいい男まさりなトーク、心の色気があるからお店が流行るんだと常連さんたちは口をそろえていう。
済州島の女性はみんなママみたいなキャラの人かなぁ?という期待と安堵感をもたせてくれる。「あちこち景気悪いってのに、なんでこんな普通のお店がこんなに流行るの?」という魔法の名店、韓国居酒屋済州島。集まるお客さんも親切だし、いごごちのいいお店なのは確か。しばらく行かないと「ママ、どうしているかな?」と気になってしょうがない。わたしもママの魔力?に魅せられて「今夜もついつい行ってしまう」お客さんの一人でもある。 |
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7. 試してみたいメニューレシピ
カムジャとは韓国語でジャガイモのこと。また田舎者という意味のスラングでもある。
カムジャチヂミはお米のあまりとれない山の地方の料理。江原道雪嶽山近隣には名もなく、でもホントにおいしい店が多い。ジャガイモのデンプンのうまみ、カムジャチヂミは噛むほどにおいしく、さめてもおいしい。今回のカムジャチヂミは居酒屋済州島風。
「済州島風カムジャチヂミ」(600円)
材料:
ジャガイモ(品種は男爵イモが最適)2個、小麦粉 大さじ 3杯、塩 小さじ 1杯、砂糖 少々、サラダ油 少々
レシピ:
ジャガイモをおろしがねですり、水気はわざとしぼりません。
このジャガイモに小麦粉を大さじ(山盛りで)3杯いれ、塩、砂糖をいれて混ぜます。
ジャガイモの水気が多い時は小麦粉を少し多目にいれる。1人前用のフライパンに油をひいて、フライパンがあまり熱くならないうちに、先ほどのジャガイモタネを落として焼く。おたまの腹をつかって丸くのばしていき、細かいはじのところはスプーンの腹で形を平面にととのえる。とろ火でゆっくり、表面がかわくまで焼き、フライかえしでよく表面を平らにギュッと押す。ゆすって動くようになれば、ひっくりかえし、キツネ色で表面カリカリ、中身はモチモチ感がでるように焼き上げる。好みで酢醤油タレをつけていただく。いたってシンプルな料理だが、コツは微妙な焼き加減とゆっくり時間をかけて焼くことにありとのこと。
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