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映画「王の男」記者会見

[王の男」来日記者会見の写真今年韓国で公開され、出演者の見事な演技と作品のクォリティーの高さから驚異的な勢いで人気が広がり、記録的観客動員数を打ち立てた「王の男」がいよいよ日本でも公開!この話題の映画で主演を務めたカム・ウソンイ・ジュンギ、チョン・ジニョンが来日し「王の男」についての魅力をたっぷり語ってくれました。

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カム・ウソンを筆頭に出演者が登場!挨拶のあとは、さっそく質問タイムです。

カム・ウソン:コンニチワ、チャンセン役のカム・ウソンです。皆様にお会いできて、とても嬉しく思います。
イ・ジュンギ:はじめまして。コンギル役のイ・ジュンギです。よろしくおねがいします。(全部日本語で)
チョン・ジニョン:コンニチハ。私はヨンサングンを演じました、チョン・ジニョンと申します。皆さんにお会いできてうれしく思っています。

Q それぞれ役作りのために注意したことや準備したことはありますか?
チョン・ジニョン:ヨンサングンという王様は歴史の中では豪君と呼ばれた存在でしたが、今回の「王の男」では暴君ではなく、悲しい人間の姿を描きたいと思いました。これまでヨンサングンはテレビドラマなどで多くの人が演じてきましたが、監督自身もこれまでのヨンサングンとはまったく違うヨンサングンを望んでいました。私は普段、演技に入る前には準備をたくさんする方なのですが、今回はヨンサングンの中にあるものを感じ取って演じようと思ったので、あえてあまり準備はしませんでした。

カム・ウソン|[王の男」来日記者会見の写真カム・ウソン:今回の役は、私がこれまでまったく経験したことのない役で、民族的な歌や踊りなど初めての経験が多くありました。今回は芸人という役でしたので熟練した芸人に見えるよう準備期間を充分におきました。原作ではヨンサングンとコンギルがメインに描かれているのですが、映画では新たに脚色をしてチャンセン、コンギル、ヨンサングンの3人が主人公になっています。また、コンギルとチャンセンの切り離せない‘縁’の部分を表現するように意識しました。

イ・ジュンギ:私が演じたコンギルという人物は男性でもなく、女性でもない、中性的な役だったので演じていて妙な感じでした。シナリオでもあまり何を考えているのかわからない描写があったので、その神秘性に重点を置いて演じなければいけないと思いました。何かを表現する時や行動する時もコンギルは何を感じているのだろうかというイメージを与える演技が求められたのでとても難しかったです。しかし、先輩の俳優さんたち、特にカム・ウソン先輩にはアドバイスをもらいながら取り組み、うまく消化できたと思います。私にとって一番大切なのは神秘的な雰囲気を出すということだったのですが、やはり元は男性ですのでそこから役作りをしなければいけないという事に最初は怖い気持ちがあり、心配しながら撮影していました。芸人の中でも女性の役割が多かったので、女性の身のこなし方などはとても難しかったです。

Q 女性らしい目線やまなざしは意識して演じたのですか?
イ・ジュンギ:今回はそうしようと思ってやったわけではありませんが…。先輩の俳優さんとも相談しながら、どうやって役を作っていったらいいかを決めました。私は元々、目つきが鋭いのでコンギルの神秘的なまなざしをどう演じるかかなり悩みました。それで周りから‘こういう映画を見たら参考になる’という作品を見て、女性の目つきやまなざしをいろいろと研究しました。

Q 「王の男」にはシェイクスピアを感じさせるものがありますが、何か関連させた部分があるのでしょうか?
カム・ウソン:この「王の男」を作る前にイ・ジュンイク監督が“この映画にはシェイクスピアがもっている要素がすべて込められている”とおっしゃっていたことがありました。私もこの作品にはシェイクスピアの要素が散りばめられているのではないかと感じます。また、これは私の考えですが、原作にもそういった要素がたくさんあったように思います。

チョン・ジニョン|[王の男」来日記者会見の写真チョン・ジニョン:
この映画を観てシェイクスピアを感じさせるのは多分、芸人が登場し映画の中でもうひとつの劇中劇が展開されるので、少しハムレットなどを連想される方もいるのかと思います。監督がシェイクスピアの要素があるとおっしゃったのはそういった部分からだと思いますが、私は、監督は監督の素晴らしい演出力でこの映画を引っ張っていかれたと思います。またシェイクスピアの要素だけでなく韓国の伝統的な要素がこの映画の中に凝縮されていると思います。監督はこの作品を難易度の高い映画だと言いますが、皆さんが映画を楽しく見て下さったらと思います。

イ・ジュンギ:先輩のお2人がいいお話をしてくれました(笑)この映画を撮りながら監督もかなり悩んでいたのではないかと思います。シェイクスピア的な要素が目立ってしまわないよう、監督らしい作品を作るために悩んだ部分もあると思いますが、何より皆が一団となって‘新しい映画を作りたい’という気持ちで撮影に臨んでいました。私はこの映画に参加できたことを光栄に思っていますし、とても満足しています。

Q 「王の男」それぞれの役柄の関係についてどう考えますか?
カム・ウソン:チャンセンとヨンサングンの関係についてですが、チャンセンという人物は権力とはかけ離れたところで自由を追い求める人間でした。そして、権力に対抗できる唯一の手段として自由のために死を選びます。この選択はコンギルとの関係においても必然的な選択だったと思います。

イ・ジュンギ:コンギルとチャンセン、ヨンサングンとの関係についてはこれまでもたくさんの質問を受けてきましたが、私が考えるコンギルとチャンセンの関係は、切っても切れない兄妹のような関係もあったのではないかと思います。ヨンサングンに関しては、コンギルも親がいない環境で育ち、ヨンサングンもまた同じような環境で育った人だったのでヨンサングンに関しては母性本能を感じる部分もあったのではないかと思います。しかし、その関係を私は同性愛だとは思っていません。演じている時もそう思って演じてきたので、同性愛と言われることがとても重荷でした。最後は悲劇を迎えますが、コンギルはチャンセンと自由に戻りたいという気持ちであのような選択をしたのだと思います。

チョン・ジニョン:チャンセンとコンギルにとってヨンサングンという人物は理解できない人間だったと思います。また掴みどころのない人物として、見ている人もどんな人なのかわからないように演じて欲しいと監督も望んでいました。このヨンサングンは歴史上ではとても有名ですが、私自身も演じながら彼がどんな人物なのかは、はっきりわかりませんでした。撮影の時も特に前もって準備はせず、撮影の中で感じたことがあったら取り入れるようにしました。こういったやり方は私にとって新しい経験でもあり、役に身を置いてその瞬間瞬間に感じたことを演技に込めました。ですから、演じていた俳優の私でさえ、どういう風にヨンサングンをとらえればいいのかわからないところもありました。実際のヨンサングンはクーデターによって失脚し、島流しにされたあと、30代で死んでしまいます。果たしてヨンサングンは本当にコンギルを愛していたのか、チャンセンに嫉妬を感じていたのかという事をよく聞かれますが、私はそう思いません。ヨンサングンはコンギルを愛していないというより、愛せなかったと思います。ヨンサングンは愛を知らずに生きてきたので他の人間のことも愛することができなかったのではないのかと思います。

イ・ジュンギ|[王の男」来日記者会見の写真Q イ・ジュンギさんは‘女性より女性らしい男’と言われていますが撮影後、女性らしい仕草が残って困ったというような事はありましたか?
イ・ジュンギ:4ヶ月間コンギルとして生きてきて、仕草や身のこなし方などが身に付いてしまったので抜け出すのに苦労しました。この映画の後に撮影に入った作品でもコンギルの仕草が抜けなくて監督さんも苦労されたようです。「王の男」を取り終えてからは男なのか、女なのか曖昧な仕草になってしまいました。でもそれだけ役に集中できたのだと思います。現場ではみんなに愛されるように努力しました。

Q 共演されたお2人はそんなイ・ジュンギさんに不覚にもクラクラっとしてしまったことはありますか?
カム・ウソン 実は、ジュンギは普段とても男らしいので逆に困ってしまったこともありました。オーディションで初めて会ったのですが、コンギル役のオーディションなら女性らしく入ってくるものを堂々と男らしく入ってきたので‘なんだコイツ’と思いました(笑)映画は原作とは違いコンギルとチャンセンの同姓愛の部分は描写されていなく、私はコンギルを異性として見ていません。あくまでも運命を共にするパートナーとしてコンギルのことを考えていました。あと、ジュンギは唇がとても綺麗なんです。ですから演技をしながら唇に見とれてしまったこともありました(笑)

チョン・ジニョン:映画の撮影が終わってからかなり時間が経っていますが、映画の中でヨンサングンのコンギルへの思いは‘執着’だったと思います。執着を持ちながら見守っていたという妙な感じがありました。個人的に言わせてもらえば私はイ・ジュンギはタイプではないですね(笑)

Q 芸人として演じる上で撮影中に何かエピソードはありますか?
カム・ウソン:パンソリ(韓国の伝統的な歌)や綱渡り、踊りなど伝統的なことを多く習わなければなりませんでした。映画の中ではそれが自然に見えるように、撮影に入る2ヶ月前から準備をして、芸人らしく見えるように役作りをしてきました。撮影中は皆の意見がぴったりあっていたこともあり、予定しているスケジュールより早く終わることも多く監督に‘何か他に撮るものはないですか’と提案することもありました。それでチャンセンとコンギルが全てアドリブのセリフで撮ったワンシーンがあります。その時2人が近付きすぎて唇がぶつかってしまったことがありました。チャンセンはメイクで口の横に傷を作っていたのですが、実際に口の中も6針縫ってしまいました。ただ残念ながらそのシーンは本編には入っていません。

イ・ジュンギ:はい…。申し訳ないです。私も撮影中に何度も危険な状況になったことがありました。とても緊張しているのでちょっとでも緊張が途切れるとケガをしそうになったりしました。お酒を飲んで役になりきろうと思ったのですが、酔ってしまって階段から落ちたこともあります。大ケガをしたら撮影が延期になってしまうところでした。そんなことも思い出になっていますが、撮影を民族村でしていた時に見学にきていた外国人が私を女優だと思って一緒に写真を撮るということもありました。ちょっと悔しかったのでわざと男らしい声を出したら逃げられたこともあります(笑)

Q 「王の男」の大ヒットで皆さんの生活に何か変わったことはありますか?
カム・ウソン:「王の男」を撮って1年が経ち、別の作品にも参加してきましたが、いつも同じ気持ち、同じ姿勢で取り組まなければならないと思っています。韓国でこの映画は大きな反響を得ましたが、自分自身では変わったことはありません。ただこの映画に関しては試験を通過したような気分でもあります。韓国でこの作品はあまり有利でない状況の中で公開されました。同じ時期にハリウッド作品や韓国で資本の大きな映画が公開されていた中で「王の男」は観客の声援に支えられて成功したと思います。
この映画を見て頂く際には、ハリウッド的な大作ではないですが韓国的な題材を扱った色々な人間の感性が表現された映画だと思って観て頂けたらと思います。また、この映画には人間愛についても描かれていますので、その部分を探るように観てもらえたらきっと感動してもらえるのではないかと思います。

イ・ジュンギ|[王の男」来日記者会見の写真イ・ジュンギ:先輩方は出演した作品が話題になっても、うまく感情を押さえたりしていらっしゃるのだと思いますが、私の場合は未熟者なのでいきなり多くの愛情を寄せられることに、どこか自分の中でぎこちなさを感じていました。急に注目されたような気がして戸惑うことも多くありました。でも、この映画は本当に私にとって多くの経験をさせてくれた作品だと思っています。俳優としての夢や欲も生まれました。これからもいい作品に出演しもっと実力を高めて発揮していきたいと思います。人気に頼らず、これからも先輩方のように一生懸命まごころを込めていい作品をつくり、いい俳優だと言われるようになりたいと思っています。本当にこの映画に出演できて光栄でした。

チョン・ジニョン:私自身は撮影の前と後で変化はありません。ちょっと年取ったくらいです(笑)最後に言わせてもらうなら、この「王の男」という映画は韓国で本当に多くの人に愛された映画です。興行成績よりも観客の皆さんと一つになりたいという気持ちで作ったのですが、いい評価を頂いて嬉しく思っています。これから日本をはじめ他の外国でも公開されますが、皆さんには特別な視線で偏見を持ってご覧になるのではなく、自分の人生や周りの状況、また自分の運命というものを振り返ることのできる余韻の残る映画だと思いますのでぜひ楽しんで見て頂きたいと思います。

<記者会見を終えて>
韓国のアカデミー賞とも言える「大鐘賞」で最優秀作品賞をはじめ全10部門もを受賞したこの作品、韓国では4人に1人が観たという大ヒット映画です。出演者が語ってくれたように見どころいっぱいのこの作品は日本で今年12月9日に幕開けし、お正月には全国ロードショーになるということで期待の映画の上陸となりました!

取材日時:2006年9月25日(月)ホテルニューオータニ


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