拍手喝采の中、登場したソル・ギョング、中谷美紀、萩原聖人、藤達也の出演者達。映画館スタッフからお祝いの花束を受け取り、ソル・ギョングが挨拶をします。
ソル・ギョング(以下:ギョング):本日は本当にたくさんの方にお集まり頂きましてありがとうございます。私にとって今日、3月4日は特別な日としてずっと心に残ると思います。この映画は2年前に日韓合作で作った映画です。日本の空気を映画に取り入れたかったので日本でほとんど撮影をしました。スタッフの皆さん、そして素晴らしい俳優さんたちと一生懸命作った映画です。そして今日、遂に日本の皆さんへ公開できることになって感無量の思いです。この映画は韓国映画です。そして同時に日本映画です。今日は本当にたくさんの方にお越し頂いて感謝しています。
Q 力道山を演じるのにあたって大変だった事はありますか?
日本語の準備は、隣にいる中谷先生、萩原先生、藤先生、このお三方に教えていただいて勉強しました。撮影に入る一ヶ月前に日本に来たのですが、お三方は時間を割いてわざわざ私の宿に来てくださったこともありますし、長い時には一日6時間くらい教えてくれたこともありました。でも、聞こえてくる耳の周波数が違うのでしょうか、私が聞こえるのと皆さんが聞こえるのが違うようで時々イライラしましたよ。そして勉強が終わって帰る時にこんなあいさつをしました。「どうもありがとうございません」(笑)。太るのは実は簡単なことで、食べれば太るし食べなければやせるので問題はなかったのですが、日本語の勉強は本当に大変でした。
“太るのは簡単だった” …5ヶ月で28キロも増やすのが簡単なはずはないと会場から“え〜”の声が。するとソル・ギョングは日本語で“うそです…”とお茶目な部分を見せました。撮影の間、コミュニケーションはバッチリだったという「力道山」出演者達。そんな出演者たちからもエピソードがこぼれます。
Q 綾役の中谷さんはいつも力道山を支える妻役でしたが、演じてみていかがでしたか?
中谷美紀(以下:中谷)韓国のスタッフと日本のスタッフが一緒に仕事をするのはそんなに簡単なことではなかったんですね。言葉や習慣の違いもありますから時には衝突することもありました。でも、撮影していた頃、私は個人的に時間があったのでよく撮影現場に顔を出してうまくいくように祈っていました。
Q 萩原さんは劇中ではマネージャー役、現場では日本語の先生役を務めていたそうですが、現場の雰囲気は?
萩原聖人(以下:萩原)そうですね、日韓合作に限らず映画の撮影はどれも楽ではないと思います。映画をつくる情熱に関してはどこの国も一緒だと思うので、そういう意味では苦しいことも結果的には楽しいことになっていくものなのでがんばることができました。ソル・ギョングさんは人としても俳優としてもとても尊敬できる人なので、そういう意味では自分の役は自然に消化できたと思います。また日本で映画を撮るのとは違う新鮮さもありました。
Q 藤さんは「力道山」という映画をどんな思いで演じていたのですか?
藤達也(以下:藤)非常にいい仕事ができたと思っています。力道山っていうのは僕にとって特別な存在でしたし、ヒーローだったので、子供になった気持ちで嬉しかったです。
Q ソル・ギョングさんは日本語取得に苦労したとのことですが、どうやって習ったのですか?
ギョング:とにかくひとつの単語を繰り返すように練習しました。中谷さんに言ってもらってから私が後に続いてもう一度言うのですが、中谷さんに“いや違う”って言われてしまうんです。そのうち、録音してみようということになって、私が言ったのと、中谷さんが言ったのを録音して聞いてみました。私には同じに聞こえるんですが、中谷さんは違うというんです。ある時は中谷さんと萩原さんが一緒に来てくれたことがありました。その時、ある単語を言ったときに中谷さんは合っているというんですが、萩原さんは違うというんですよ。2人でいいか悪いか相談していましたが・・・その間の私はバカみたいでした。
「ありがとうございません」(会場爆笑)
司会者:萩原先生に真相を聞いてみましょう
萩原:本当にダメな生徒でした(笑)
本番でだけ素晴らしかったです。演技という枠の中に入ると素晴らしかったのですが、やはり練習があまり好きではなかったようですね。
Q映画についてどんな印象がありますか?
藤:力道山は私にとって栄光と悲しみを背負って失踪した男。という感じがします。その悲しみは何かというのはご覧になった方はお分かりだと思いますが、ジレンマというか…頂点まで昇りつめても決して満足できなかったという姿をソル・ギョングさんが非常にうまく演じて素晴らしかったです。
最後に出演者を代表してソル・ギョングさんからメッセージが送られました。
ギョング:(日本語で)日本の映画「力道山」これから勝負です!お願いします!
〜舞台挨拶を終えて〜
映画公開初日、渋谷の映画館で上映後に行われた舞台挨拶。そのエンドクレジットを涙で見送る観客も少なくはありませんでした…。出演者である藤達也が話してくれたように、歴史的人物で、ヒーローでもあった力道山のドラマを描いた映画ということで、韓国映画にはちょっとめずらしく年配の男性の方も目立ち、幅広い年齢層のお客さんが集まりました。最後に完璧な日本語でバッチリ決めたソル・ギョングですが、日本語の実力はなかなかのものらしく、普段出演者やスタッフと話す時はほとんど日本語を使っているそうです。映画でも確認できるその実力は勉強が嫌いだったとは思えないほど…。
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