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キム・ギドク監督「サマリア」陽春公開決定!来日記者会見

1月20日に主演女優2人が来日し、記者会見を行った映画「サマリア」。2月25日、その「サマリア」でベルリン国際映画祭監督賞を受賞したキム・キドク監督が来日記者会見を行いました。

◇◆◇◆◇

〜監督からの挨拶〜
このように歓迎をしていただき誠にありがとうございます。本来ならば、皆様お一人お一人とお話が出来ればよいのですが、新作の撮影中の合間に来日した都合上、時間がなく申し訳ございません。たくさんの質問を受けられないかと思いますが、誠心誠意お答えしたいと思います。

ベルリン国際映画祭の監督賞を受賞して、ご自身や周囲の変化はありましたか。

もちろん賞を受賞したことで周りの環境が変わったりしますが、私自身が出来るだけ変わらないように努力しておりますので、大きく変わったということはございません。

「サマリア」を撮ろうと思ったきっかけは?

韓国では最近、10代の少女達が成人と交際し事件になることが多く、それを、加害者・被害者という一つの立場でしか世間は見ていない。私は、こういった事をあくまでも人と人、そして、それらの出来事をどれだけ理解できるかということを皆さんに伝えたいと思いました。友達と友達、親と子の立場から描けないかと思いました。

主演女優2人について

2人とも韓国ではあまり名前が知れていない新人ですが、とても頭がよく魅力的な俳優さんたちでした。彼女達と一緒に映画を作ることができてとても幸せでした。また最近、新作を撮影しておりますが、その作品の主人公は、「サマリア」でチェミン役のハン・ヨルムさん(ソ・ミンジョン)です。「サマリア」でとても良い女優さんだと思ったので、また一緒に撮影が出来たと思っています。

キム・ギドク監督の写真
「サマリア」ではベルリン国際映画祭監督賞受賞、「3−lron(空き家)」ではヴェネチア映画祭監督賞受賞し、残るはカンヌ映画祭ですが

2つ賞を頂きましたが、未だに他人事のようで本当に貰ったかどうか判らない感じです。私はあくまでも映画を作る人間であって、賞をとる人間ではありません。作った映画がどこの道へ進んでいくのかは、私が映画を作ることとは別だと考えております。私自身が感じたこと、考えたことを映画にする人間だと思っています。

「サマリア」の主演女優2人とは、どのような話をして魅力を引き出そうとしましたか 。

とても似ている部分が多かったと思います。内向的で表現がうまくできない、そういったところが似ています。今までずっとそうでしたが、俳優さん達にどういう演技をしてくれと特に要求したことはありません。シナリオを読んでもらいシナリオに登場する人物達が、シナリオに描かれていない過去・未来はどのように生きているかということについて話します。 また、俳優さんたちに対して必ず初めに、その役柄の人生を真似るのではなく、その登場人物そのものとして生きて欲しいと言います。中には、撮影中その登場人物として生きて撮影が終わってからもその人物から抜け出せずにつらい思いをしている俳優さんもいるかと思いますが、私は、このことが大切だと思っています。

最近まで、映画を作るにあたって監督が一番大変だと思っていました。しかし、つい最近、一番大変なのは、俳優さんなのだと気づきました。最近、俳優としての人生を悩んだ末残念な結果になってしまった事件があり、その事件を通じて、俳優という職業は本当につらいのだと強く感じました。以前、作品に出演した俳優から「この役に魂を注ぎ込みました」と聞いてとても心が痛んだこともあります。今回の事件の俳優さんもそうですが、映画の中で与えられた人生を生き、魂に傷をたくさん受けているのだと感じました。

キム・ギドク監督の写真 以前の作品は、痛みが全面に描かれていましたが、ここ数年の作品は、痛みよりも癒しの部分が強く感じます。監督自身、世界観や愛に対する考え、表現する考えに変化があったのか

私の初期の作品「コースト・ガード」までの8本は、怒りが爆発し加虐と被虐と言った内容が反復されていました。「春夏秋冬そして春」以降は、自分自身変わってきたと感じております。それは私自身、社会に対する見方が変わったからだと思います。社会を理解し、和解をし、世の中を美しく見ようとする視覚が生まれてきたと思います。「春夏秋冬そして春」以降は、過激な表現もあまりしておりませんし、どちらかと言うと、魂と対話をしようと自分の中で考えてきたと思います。

私自身も変わったのでしょう、今日も空港でファンの方に「表情が明るくなりましたね」と言われました。「コースト・ガード」頃までは、世の中に対してとても怒りを感じていて、攻撃的でもあり、自分的にもコンプレックスを持っていました。最近は、世の中を楽に見ることが出来るようになったと思っています。
  
キム・ギドク監督の写真 私の作品は、大きく3つに分けられると思います。

1.クローズアップ映画・・・「悪い男」「魚と寝る女」「鰐」

  人間をクローズアップし、人間の細かいところ、強い怒りを表現した映画です。

2.フルショット映画・・・「受取人不明」「コースト・ガード」「ワイルド・アニマル」「サマリア」

  人間の全体を描き、社会の中で人間がどのように行動的にも矛盾を抱いているかに焦点を当てた映画です。      
3.ロングショット映画・・・「春夏秋冬そして春」
  人間も自然の中の風景の一部であると描いた映画です。

このように違う視点であることを踏まえたうえで作品を見ていただくと、私の映画をより理解できるのではないでしょうか。

◇◆◇◆◇

質問に対し、とても丁寧に答えていただきました。3つの視点をふまえ、キム・キドク監督の作品をぜひご覧になってみてください。 「サマリア」は、3月26日、東京・恵比寿ガーデンシネマにて公開です。

2005年02月25日(金) 東京・セルリアンタワー







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