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第16回東京国際映画祭 ソンガンホ舞台挨拶レポート
TOKYO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL 2003
第16回 東京国際映画祭 アジアの風公式参加作品
「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」 舞台挨拶レポート
東京国際映画祭のために俳優のソン・ガンホ氏、キム・サンギョン氏、パク・ヘイル氏とポン・ジュノ監督が来日、11月9日、渋谷オーチャードホールにて舞台挨拶を行いました。「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」は2004年春日本でロードショー予定となっています。ソン・ガンホ氏の来日とあってマスコミも多く集まりました。当日はKスタッフも取材にかけつけました。その模様をお届けいたします。

第16回東京国際映画祭の写真11月9日(日)この日は雨が降りそうな雲行き、肌寒い。にもかかわらず、渋谷オーチャドホールは韓国映画「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」を見る人々の長い列でごったがえしていました。会場入り前から、長い列の観客達は韓国の映画の話、出演する俳優の話で盛り上がって、寒さを忘れる程でした。11時をやっと過ぎた頃、やっと会場入りする事が出来てオーチャドホールの3階までの席はあっという間に埋め尽くされました。観客席についてからは皆さん、落ち着かない様子です。早くソン・ガンホを見たい!!出演者のみんなを見たい!!という気持ちが最高に高まったその瞬間、舞台挨拶が始まりました。まず、ソン・ガンホ氏が最初に出てきました。会場から"わあっ〜"という声が上がりました。簡単な挨拶が済むと続けて、キム・サンギョン氏、パク・ヘイル氏、ポン・ジュノ監督、岩代太郎氏(音楽担当)が入場しました。

ソンガンホ氏の舞台挨拶の写真最初にソン・ガンホ氏がメモリー・オブ・マーダーについての意見を尋ねられました。ソン・ガンホ氏は、「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」が今まで自分が出演した日本の皆さんが知っている「シュリ」「JSA」に負けないくらい立派な作品だと熱く語りました。この映画でソン・ガンホ氏は地元の刑事パク・トゥマン役ですが、今回、「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」では刑事の役作りや俳優としての特別の意味を探すというよりも、作品の題材そのものが韓国で実際に起こった事件を映画化しているので、出演する責任感を強く感じたと話していました。しかも、この映画の内容は非常に重く、韓国の現代史における心の痛みを描いているとの事でした。実際、この映画の題材となったファソン連続殺人事件は1986年から1991年の6年間に10人の女性が犠牲となりました。3,000人の容疑者が連行され、180万人の警察官が動員されましたが、犯人はいまだ捕まっていません。

舞台挨拶の写真この映画「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」の原題は殺人の追憶(思い出)という意味ですが、このタイトルのような怖い思い出ではなく、この映画が皆さんの心の中に良い思い出といて残る事を願うと言ったのは、ソウル市警から派遣されたソ・テユン刑事役のキム・サンギョン氏でした。キム・サンギョン氏は、日本の女性の印象を教えてください!!という全然映画と関係のない質問にも笑顔で、日本語で"すばらしい"と答えていました。会場からは、どっと笑いがこぼれ一瞬なごやかな雰囲気が…。キム・サンギョン氏は、今回、日本に来るのが初めてだそうですが、日本に来る前は日本が非常に異国的な雰囲気の国だと想像していらしたそうです。しかし、実際に来てみると、自分が想像していた雰囲気とは全然違い、むしろ、あまり外国という感じがせず非常にいごこちが良いと話していました。

そして、この映画の確信的役割をしている?役(パク・ヒョンギュ役)のパク・ヘイル氏は、皆さんに会えて非常に嬉しいと言い、この東京国際映画祭で自分の出演している「嫉妬は我が力」も上映されている事もますます嬉しい思いをしていると話していました。現在、パク・ヘイル氏は韓国で、人形姫というタイトルの映画を韓国のトップ女優のチョン・ドヨンさんと一緒に共演して撮影しています。この作品も、もし機会がありましたら、日本で宣伝していただき、また、日本の方にお目にかかりたいそうです。

日本で上演されているといえば、渋谷でポン・ジュノ監督デビュー作の「ほえる犬は噛まない」も必見です。そして、監督の短編映画も、今年の夏にぴあ映画祭で上映されました。監督は、こんなにほとんどの自分の作品が日本で上映されてしまう事を表現されていると思いますが、"私の恥部がすべてさらけ出されたような気持ちだ"と非常に不安になっていました。

監督は、「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」について、自分が真心を込めて作った作品なので、皆さんの記憶に長く残ってくれれば嬉しいと話していました。それから、監督ご自身、日本の漫画を読んで育ち、日本の映画や文化にも非常に関心を持っているので、日本の皆様が韓国映画に関心を持っていただければ嬉しいと思うと話していました。

舞台挨拶の写真日本の映画や文化に非常に関心があっても、日本語がスラスラしゃべれるのが当たり前ではなくて、言葉が、英語、韓国語、日本語の3カ国語がいりみだれる制作班だったと言うのが、音楽担当の岩代太郎氏です。岩代太郎氏は、監督が求めている音楽と自分が制作する音楽が99%一致していて、非常にスキンシップがスムーズだったと話していました。岩代太郎氏の印象的な言葉は、"まあ少々キザな言い方ですが、私共の映画文化を通じて私と監督がお互いに、なに人であるかという事を忘れさせてくれる程にその心のバイブレーションを皆様にもぜひ、この映画を通じて感じ取っていただけたらと思います"でした。そして、岩代太郎氏は、本当に今日は皆さん、たくさんの方々に来ていただいてありがとうございました。皆様に感謝すると共に、今日、この日を迎えるにあたりこの映画のプロデューサー(写真の写っている女性です)やスタッフの皆様方に感謝をささげたいと思いますと話していました。

舞台挨拶の写真そして、舞台挨拶は、観客のもっと聞きたいという気持ちとはうらはらに終わり、上映が開始されました。上映中は、かなり殺人に関係する映画という事で、テーマ自体も重く、最後まで笑いがないかと思いきや予想に反して、ソン・ガンホ氏のすばらしい演技により会場の雰囲気が少し和らげられていました。その事により、彼がこの映画に出演した意味は大きいと感じます。それから、「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」はそれぞれの配役がぴったりで、出演者の誰がかけても成り立たない映画でした。題材もひょっとしたら自分の身近で起こるかもしれない内容です。そして、上映終了後も観客達の反応は良く、おもしろかった。韓国映画は内容が好きではないけど、友達と一緒にきてみて良かった。ソン・ガンホ氏のファンになった等…。

この「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」が上映された11月9日(日)最終日、「アジアの風」部門の受賞結果がBunkamuraシアターコクーンにて発表され、「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」はアジア映画賞を受賞しました。そして、パク・ヘイル氏が出演する「嫉妬は我が力」もスペシャル・メンションでした。韓国映画、強い!!皆さん、ぜひ来春のロードショーの際には「殺人の追憶〜メモリー・オブ・マーダー」をご覧になって下さい。きっと、心に残る映画になるはずです。

取材日時:2003年11月9日(日)
取材・撮影:竹谷@Kスタッフ


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