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親切なクムジャさん
>> INTRODUCTION
最後の復讐が、一番哀しく、美しい。
親切なクムジャさんカンヌ映画祭グランプリ受賞の傑作にして、世界の観客を震撼させた『オールド・ボーイ』は、パク・チャヌク監督にとって中間地点に過ぎなかった! 『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』に続く「復讐3部作」の最終章を飾る本作の主役は、何とあのイ・ヨンエ! パク・チャヌク監督の出世作『JSA』で一躍スターの座に躍り出たイ・ヨンエは、『春の日は過ぎゆく』などを経て、現在NHK-BS2で放映中の「宮廷女官 チャングムの誓い」に主演。韓国のみならずアジア各国で圧倒的高視聴率を獲得したこの作品で、知的で健気なヒロインを見事に演じ、透明な美貌と演技力でアジア全土を虜にしている。

天使のようなクムジャさんの悪魔のような復讐
無実の罪で刑務所に入れられたクムジャが13年の刑期を終えて出所するところから、物語は始まる。服役中、誰に対しても優しい微笑を絶やさなかったことから「親切なクムジャさん」と呼ばれた彼女は、自分を陥れた男に復讐するため、先に出所した仲間のもとを訪ねて協力を得る。そしてオーストラリアに養子に出されていた一人娘ジェニーを取り戻し、ついに男を手中に収めるのだが、本当の復讐、そして「親切なクムジャさん」の本領発揮は、そこからが始まりだった……。

親切なクムジャさん韓国で7月末に公開されるや、観客動員は初日に25万人、僅か2週間で300万人を超え、社会現象とも呼べる大ヒットを記録。イ・ヨンエが時に無表情に、時に天使のような微笑みとともに言い放つ数々の名ゼリフ──「余計なお世話よ」「早く死んでね」「私はあと1人殺すつもりよ」──は、流行語にまでなっている。

「“酸素みたいな女”というイメージを脱ぎ捨てたいわけではありません。ただもっと多くの可能性を試してみたいんです。一つのジャンルとキャラクターに閉じ込められるのが息苦しかったんです」と語るイ・ヨンエは、真っ赤なアイシャドウをつけた顔を歪ませ、煙草を吸い、年下の男を誘惑し、冷徹に銃を撃つクムジャを、時にコミカルに、時に深い哀しみをにじませて演じ、複雑にして魅惑的なヒロインを誕生させたのだ。

復讐3部作のラストを讃えるオールスター競演
タイトルロールを演じるイ・ヨンエの周囲を彩るのは、「復讐ファミリー」とも呼べる前2作の主演スターたちだ。まずクムジャの復讐相手ペク先生として登場するのは、『オールド・ボーイ』の主演チェ・ミンシク。今回は脇に回りながらも、ぞっとするほど邪悪な殺人者を淡々と演じて戦慄させる。クムジャにケーキ作りを教えるチャン氏を演じるのは、『オールド・ボーイ』で歯をすべて抜かれる私設監禁部屋の管理人を演じたオ・ダルス。クムジャを裏切る伝道師は、『オールド・ボーイ』でユ・ジテの金髪の部下を演じたキム・ビョンオクだ。さらに、ノーギャラでカメオ出演しているのが、ニュース・キャスター役のカン・ヘジョン(『オールド・ボーイ』)、夜道でクムジャとジェニーを襲う2人組は、『復讐者に憐れみを』に主演したソン・ガンホとシン・ハギュン。刑務所の運動場で「親切なクムジャさん!」とうっとり呟くのは、『オールド・ボーイ』でユ・ジテの姉を演じたユン・ジンソ。そして『オールド・ボーイ』でチェ・ミンシクを15年間監禁してさらなる復讐を用意したユ・ジテは、思わぬ場面で顔を見せて、にやりとさせてくれるのだ。また、オ・グァンノクとイ・デヨンの男優2人は3部作すべてに出演を果たした。

パク・チャヌク監督は、「関連性があまりない復讐シリーズに連続性を持たせるため、最終作である本作で前2作の出演俳優たちにカメオ出演を依頼した。映画の宣伝には利用しない約束の上、ノーギャラでこころよく出演してくれたんだ」と語る。

「クムジャさん」とは?
クムジャ=日本の“○子”のように、やや古風な女性の名前。
現在では60歳以下の女性にはほとんど見当たらない。
特徴:天使のような美貌。ケーキ作りが天才的に上手
過去:13年間、無実の罪で服役。刑務所内で「親切なクムジャさん」と慕われる
家族:19歳の時に産んだ一人娘は、服役中にオーストラリアに養子に出される
服装:流行を無視、季節も無視
信条:大きな罪には大きな罰を、小さな罪には小さな罪を


>> STORY
サンタクロースの衣装を着た聖歌隊と伝道師が、“親切なクムジャさん”と呼ばれている女性を待っている。キョンジュ刑務所から出所した女たちは、待ち構えていた家族と抱き合ったり、「心を白くして二度と刑務所に戻らないように」豆腐を食べている。そんな中を、冬だというのにワンピース姿の女性が無表情で歩いてくる。

イ・クムジャ。20歳のときに「ウォンモ君誘拐事件」の犯人として逮捕され、その美貌と残忍な手口により世間を騒然とさせた。13年の刑期を終えた彼女は、逮捕された時と同じワンピースを着て出てきたのだった。刑務所にいた時からクムジャを支援してきた伝道師が差し出した豆腐の皿を、彼女は片手でひっくり返し、「余計なお世話です」とぴしゃりと言って、立ち去っていく。

刑務所の中で、クムジャは、他の囚人にいじめられた新入りの代わりに復讐を施したり、老いた元北朝鮮スパイの世話をしていて、この世の天使のように崇められ、“親切なクムジャさん”と呼ばれるようになったのだった。その顔からは光が放たれていたという。だが出所した彼女からは、刑務所にいたときの聖母のような微笑みは消えていた。13年前から心に決めていた作戦を開始する時が来たのだ。

>> PLODUCTION NOTES
クムジャのための空間美学
親切なクムジャさん『復讐者に憐れみを』『オールドボーイ』、そして『美しい夜、残酷な朝』で、独特な空間美学を構築してきたパク・チャヌク監督は、本作でもその美学をとことん追求している。刑務所内は、一般的にイメージされるくらい雰囲気ではなく、杏色を基調に温かみのある空間にデザイン。紺色ではなく淡い黄色の囚人服を着た模範囚のクムジャは、まるで聖女のように神々しい。そして出所後は、複雑な内面を持つクムジャを効果的に表現するため、メイン空間は全体的に狭く低くしつらえた。赤とパープルを主体に、さまざまに変化する心理を反映。出所後に泊まる無許可の美容院には彼女の不安定な心理を反映させるため、室内を6坪に設計した。息苦しいほど暗くて狭い部屋には、業火の炎のように赤と黒に波打つストライプの壁紙が張られ、地獄に落ちるようなイメージを創出させたのだ。

七変化のクムジャ流ファッション
13年間の刑期を終えて出所にたクムジャは、真冬だというのに夏用の水玉模様のワンピースに、顔が半分隠れるほど大きなサングラスをかける。ダサくて可愛いこの取り合わせに、本作の衣装コンセプトが集約されている。衣装チームは、あまりにも美しいイ・ヨンエとクムジャを結びつけるため、古典的なハリウッド映画に出てくるクラシカルなヒロインをコンセプトに据えた。祈りを捧げ、慈悲の心に満ちている時のクムジャは、まるで少女のような服を好むが、復讐のために邁進する際には黒を基調にしたハードボイルドな衣装に変わる。映画に使われた13着に衣装は、彼女の過去と現在、親切さと邪悪さの間をつなぐ役割を果たしている。ちなみに13着の衣装は韓国で公開後にオークションにかけられた。最高値で落札されたのはあの水玉ワンピース。約5千円の値から出発し、60人が参加、約8万円の高値で競り落とされたのだった。

真っ赤なアイシャドウで武装する
衣装だけではなく、メーク・アップや髪型にもクムジャの心理変化が表現されている。出所後、真っ赤なアイシャドウを塗ったクムジャに、彫刻アーティストのスヒが「スタイルが変わったわね。なぜ赤いアイシャドウを?」と問いかけると、「親切に見せたくて」と答える。親切というよりも、容易に他人を寄せ付けない雰囲気を漂わせているその赤いアイシャドウは、ペク先生をして「クムジャ、そのアイシャドウはなんだよ」と言わしめる。クムジャ独特の価値観やセンスが赤いアイシャドウで表現されているのだ。またヘアスタイルも、刑期中の清純なイメージのストレートヘアから、出所後は太いウェーブをかけ、ファムファタール的なイメージに一新する。こうしてクムジャは次々に変化し、一層謎めいた存在として観客を魅了していく。
イントロダクション あらすじ プロダクションノート
キャスト スタッフ 監督来日記者会見

 
DATA
【CAST】
イ・ヨンエ/クムジャさん役
1971年生まれ。雑誌モデルとして14歳でデビュー、化粧品のCFでつけられたキャッチフレーズ「酸素のような女性」が透明度の高い美貌を言い当て、広く浸透する。テレビ・ドラマに多数出演し、97年には映画デビューも果たすが、ここまでは正統派美人という美貌ばかりが評価されていた感があった。あおの運命が大きく変わるのは、パク・チャヌク監督の大ヒット作『JSA』にスイス将校の役で出演したことによる。演技者としての挑戦に目覚めた彼女は、『ラスト・プレゼント』では病に冒された気丈な女性を演じ、『春の日は過ぎゆく』では年下の男性を翻弄する自分本位な女性を好演し、自己イメージの開拓にもっとも積極的な映画女優として絶賛される。一転して久しぶりに出演したテレビ・ドラマ「宮廷女官・チャングムの誓い」が高視聴率をマーク、国民的女優の地位を獲得したばかりか、アジア全土で放映されて絶大な人気を得る。そして再び自己イメージを大胆に裏切る“クムジャさん”を演じて、女優としての果てしない度量の大きさを改めて見せつけたのだ。漢陽大学でドイツ文学を学んだ後、中央大学新聞放送大学院の演劇映画科を卒業した才女でもある。

チェ・ミンシク/ペク先生役
クムジャの高校に教育実習で来て、知り合う。現在は子供相手の英会話塾の講師。
1962年生まれ。韓国を代表する名優で、特に近年は『オールド・ボーイ』『クライング・フィスト』(原題)とヒット作に立て続けに出演、人気・実力ともに追随を許さない存在になった。


オ・ダルス/チャン氏役
刑務所でクムジャさんにケーキ作りを教えた師匠。出所した彼女を自分のケーキ屋に雇う。
1968年生まれ。『オールド・ボーイ』でチェ・ミンシクにリンチされる私設監禁部屋の管理人を演じて注目される。その他の出演作に『大統領の理髪師』『甘い人生』『クライング・フィスト』(原題)など。


イ・スンシン/パク・イジョン役
刑務所で「魔女」に夜通しうちわを扇ぐよう命じられる。 出所後ペク先生と結婚。
1969年生まれ。『オールド・ボーイ』に催眠術師の役で出演。その他、『シュリ』『純愛中毒』にも出演。

クォン・イェヨン/ジェニー役
ラ・ミラン/オ・スヒ役
キム・ジング/コ・ソンスク役
キム・ビョンオク/伝道師役
キム・シク/クンシク役
キム・ブソン/ウ・ソヨン役
ソ・ヨンジュ/キム・ヤンヒ役
コ・スヒ/魔女役
ナム・イル/チェ班長役

〜友情出演〜
オ・グァンノク、イ・デヨン、イム・スギョン、ハン・ジェドク、リュ・スンワン

【STAFF】
パク・チャヌク/監督
1963年生まれ。西江大学哲学科在籍中から映画評論に手を染める。芸術映画、B級映画、商業映画など、あらゆるジャンルの映画に精通した映画マニアであり、また屈指の理論家として名を馳せる。92年の監督デビュー作『月は…太陽が見る夢』と第2作『3人組』は、興行的には不発だったが、幅広いジャンルを網羅する演出感覚を披露し、一部で高く評価された。また94年には評論集『映画を見ることの密かな魅力を上梓している。

2000年、初の大作『JSA』がそれまで持っていた『シュリ』の観客動員記録を塗り替えるヒットになり、一躍、韓国を代表する映画監督の1人と目されるようになる。続く『復讐者に憐れみを』は、評論家から高い評価にも関わらず、その悲惨な復讐劇が災いして興行的には苦戦した。短編オムニバス映画『もし、あなたなら〜6つの視線』を経て、復讐シリーズ第2弾の『オールド・ボーイ』で再び大ヒットを放ち、カンヌ映画祭グランプリを受賞する快挙をなした。日韓中の3監督によるオムニバス映画『美しい夜、残酷な朝』を経て、復讐3部作の最後を飾る本作を発表。イ・ヨンエの久しぶりの主演映画ということもあって公開前から大きな話題を呼び、韓国では7月末に公開後わずか2週間で300万人の観客動員という驚異的なヒットになった。

チョン・ジョンフン/撮影
1992年からインディペンデント映画を監督。撮影監督デビューは『ガラス』(96年)。『オールド・ボーイ』で躍動的な映像を駆使し、アクションシーンを最大限に生かしながらカメラワークで絶賛される。一転して本作ではカメラの動きを抑え、クムジャの動きをじっくり追跡していく手法を見せる。その他の作品に『南極日誌』など。

パク・ヒョンウォン/照明
1995年の『永遠なる帝国』で照明技術デビュー。『クワイエット・ファミリー』『ハッピーエンド』『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『僕の彼女を紹介します』『南極日誌』などのヒット作を手がける。

チョ・ヨンウク/音楽
1998年の『クワイエット・ファミリー』から音楽プロデューサーとして映画に関わり、これまでに『カル』『ハッピーエンド』『JSA』『密愛』『ラブストーリー』『オールド・ボーイ』などを手がける。『オールド・ボーイ』で大鐘賞音楽賞を受賞。クラシックからポピュラー、パンクまであらゆるジャンルの音楽を習得。本作では弦楽器を使用し、叙情的で女性的な繊細さを表現。

チョ・ファソン/美術
『グリーン・フィッシュ』『ナチュラルシティ』などを手がけてきた。『美しい夜、残酷な朝』でパク・チャヌク監督と絵コンテ作業を共にしたのがきっかけで、本作の美術デザインを依頼される。

チョ・サンギョン/衣装
パク・チャヌク監督をは『3人組』『オールド・ボーイ』で組んできた。クムジャの変貌にあわせて、特に後半では赤と青を基調に、変貌の過程を繊細に表現した。その他の作品に『甘い人生』などがある。

ソン・ジョンヒ/メイク
『JSA』『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督作品以外にも、『初恋のアルバム〜人魚のいた島』『顔のない美女』などを手がけてきた。

脚本:チョン・ソギョン/パク・チャヌク
編集:キム・サンボム/キム・ジェボム
制作:イ・テホン/チョ・ヨンウク
プロデューサー:イ・チュニョン
製作:MOHOフィルム/CJエンタテインメント


『親切なクムジャさん』
2005年11月、新宿シネマスクエアとうきゅう、日比谷シャンテシネほか、全国にてロードショー
配給:東芝エンタテインメント
(c)2005 CJ Entertainment Inc. & Moho Film. All rights reserved.
※映画紹介記事及び写真は配給元からの提供です。著作権はCJ Entertainment Inc. & Moho Film.に所属します。

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