>>INTRODUCTION
いつも側にいたから気づかなかった。喧嘩もしたし、疎ましく思ったこともあるけれど、僕たちの間には目に見えない兄弟の絆があった。たとえそれが、反目することでしか確かめられないものであったとしても…。
韓国、日本だけでなく、全アジアを感動の涙で包み込んだ『ブラザーフッド』で運命に翻弄される兄弟をドラマチックに描いた韓国映画界に、またひとつ、『マイ・ブラザー』という名の新たな「絆」をテーマにした感動作が誕生した。本国では04年10月に公開され、2週間連続No.1大ヒットを記録。胸を刺す熱い思いが一筋の涙となり、大海に落ちた滴のように広がっていったのである。
>>STORY
かつてカメラが好きな男と優しい女がいた。彼らは結婚して男の子が生まれる。その子はあまり祝福されなかったが、母親は出来る限りの愛情を注ごうと決心する。そして彼女のお腹には新しい命が宿っていた。しばらくして父親が亡くなり、幼い兄弟を抱えた母は生きるためならどんな事も厭わなかった。ある時、彼女はふと思い立って写真館を訪れる。2人を包み込むような母、カメラから目をそらす兄、屈託のない弟の笑顔ーー多少色あせてはいるが、その写真は時を経た今でも写真館に飾られていた…。
ソンヒョン(シン・ハギュン)とジョンヒョン(ウォンビン)の兄弟は、年が離れてはいるものの、高校の同じクラスで学んでいる。気が弱い兄は学年のトップの成績で、文章や詩に才能を発揮していた。一方の弟は喧嘩に明け暮れる毎日。周りが兄ばかり大切にしていることが気に入らず、今日も一戦を交えていた。
「文芸部」に入れば女子高との交流ができると知ったジョンヒョンは、詩に興味などなかったが喜んで参加する。憧れのミリョン(イ・ボヨン)がいるからだ。ところが不良グループのリーダー、オクス(キム・テウク)が邪魔に入り、決闘が始まった。弟が危機に陥った時、普段おとなしいソンヒョンが飛び出してくる。殴られても蹴られても、相手の足にしがみついて離れない。力を合わせて喧嘩には勝ったが、それだけで済むはずもなく、母親(キム・ヘスク)が学校に呼び出される。ひたすら頭を下げる母だったが、帰り道で「一人が殴られたら2人で殴り返しなさい。それが兄弟よ」と話すのだった。
詩の発表会が近づき、ジョンヒョンは彼女に気に入られようと奮闘するも、紙くずが増えるばかり。思わずソンヒョンのノートに手を伸ばすと、そこには「四つ葉のクローバー」と題した美しい詩とミリョンの似顔絵が…。そして当日「僕が1枚の葉になってあなたを四つ葉のクローバーにしてあげます」と朗読するジョンヒョンを見つめるミリョン。やがて2人は、海辺で肩を寄せ合い唇を重ねる。その姿をソンヒョンが遠くから呆然と眺めていた。彼は淡い恋心が終わったことを知る。一方で兄の詩を利用した後ろめたさが彼女との関係をギクシャクさせ、ジョンヒョンの恋もまた終わりを告げた。
新しい季節がやって来た。ソンヒョンは母の望み通りソウル大学医学部に合格。ジョンヒョンは浪人生として予備校通い。兄の将来を考えた母は長年の金貸し業を辞め、食堂を始めるために不動産屋と契約を交していた。3人の家族は希望を胸にそれぞれの道を歩み始める。事件が起こったのはそんな時だった…。
>> PLODUCTION NOTES
<COMMENTS> 俳優たちが共演者を語る
ウォンビン
「ハギュンが私の兄役になると聞いて大変嬉しくなりました。彼は本当の兄のように親切に接してくれるからです。撮影後にはよく2人でインターネット・カフェに出かけ、コンピューター・ゲームをしていました。演技者としての彼が素晴らしいのは、集中力と即興性だと思います。だからこそ、あのように奥深い演技が出来るのでしょう」
シン・ハギュン
「ウォンビンはとてもハンサムな俳優なので、彼と友人で良かったと思います(笑)。『ガン&トークス』で共演した時にも感じたことですが、演技に打ち込む誠実さには見習うべきところがたくさんありました。彼は本当に一生懸命で、真面目な俳優なのです」
キム・ヘスク
「頼りがいのあるハンサムな息子が一度に2人も出来て幸せでした(笑)。ウォンビンが息子になってくれることが特に『秋の童話』以来、私のお気に入りでしたから。また、ハギュンとは初共演でしたが、すぐに私の"上の息子"に収まってくれました」
イ・ボヨン
「もし私が映画のような2人の兄弟と三角関係になったら?もちろんウォンビンやシン・ハギュンのように素敵な兄弟だったら、どちらかに決めるのは難しいのでしょうね(笑)」
<POWER> 人々が共有する感情を描き、万人を感動させる
人々が共有する感情を描き、万人を感動させる"韓流ブーム"という言葉が使われるようになったことでも分かるように、韓国映画が最近大きな力をつけてきたのは確かである。公開される新作映画が次々と興行記録を塗り替えている理由としては、シネマコンプレックス劇場の拡充による観客数の増大、最新機材の開発、優れたマーケティング等が挙げられる。しかし一番重要なのは、映画の質そのものが向上していることであろう。
成功した韓国映画すべてに特徴的なのは、作品のテーマが誰にでも共通する感情に訴えていることなのである。それは既にブームなどではなく、普遍的な文化がしっかり根付いたことを意味している。誰もが生まれつき持っている人間関係と絆を描く--それは家族の姿を描くことに他ならない。
「家族の一員であることが重荷になることもある。しかし自分を縛っていると思っていたものが、実は一番の支えになっていたことに気づく時が来る。」これは小さな感情の変化かもしれないが、世界を変える力さえ持っているのだ。世代を超えて万人に共通する心が、本作『マイ・ブラザー』で見事に結実しているのである。
<BROTHER> 親友より身近で、ライバルより激しい関係
儒教の教えが色濃く残っている韓国では、家族単位であらゆる兄弟姉妹に対して多くの特別な言葉や呼び方が存在している。例えば、ヒョン(兄)、ナムドンセン(弟)、ヌナ(姉)、ヨドンセン(妹)ーーさらにもっと多くの言葉がある。それらの微妙なニュアンスの違いは、個人が家族の序列でどの位置にいるのかと、それぞれの責任の重さを端的に示し、家族内でのあらゆる出来事と共に記憶されていくのである。その中でも特に兄弟の関係は、強い競争意識と血縁同士の上下意識の丁度中間に位置している。兄弟は友達より身近ではあるが、自分で選択した関係ではないので、ひとたび対立すれば緊張と苦痛を伴うこともある。しかし結果として、どんな兄弟もお互いが敵になることはない。古人の言によれば、「血は水よりも濃い」からである。
本作品の重要な部分として、弟が兄を"ヒョン"(尊敬の念を込めた、兄という意味)と呼ばない間柄になっている。そこから見て取れる奇妙で複雑な2人の感情-兄弟の間には、他人の目からは分からない特別な"何か"が存在しているのである。
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