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りょうこのサイパンお気楽生活記
Vol.2 日本人みたいな韓国人

りょう子の写真サイパンに来て初めてまともに韓国人と接してみて、彼らの予想外の冷たい反応や、何よりも、日常生活や仕事に使う簡単な会話は問題ないと思い込んでいた私の韓国語は、私の予想を見事に裏切り、実際にはほとんど通じなかった。通じたとしても、「どこで習った韓国語?」と嘲笑されるのが関の山だった。下手に韓国語が出来る自分が情けなかった。いっそ、全く理解できない、全くしゃべれない方がどんなにかマシだろうと思った。実際、私の回りの日本人はつたない英語で、回りの韓国人と何となく私なんかよりよっぽど仲良くやっていっていたのだ。そんな状況でこの先、どうやって韓国人と接してよいのか全く道が見えない、今思い出しても悪夢のような時期だった。韓国人と日本人のツアー受け付けや、簡単な案内が私の当時の仕事だったが、実は私の韓国語は韓国人には通じない、とはいまさら日本人の上司には言えなかった。

そんな時にローカルの人たちから、「Are you Jpanese?」と言われると、私は半ばムキになって「No、I'm Korean」と答えたものだ。すると大体、「えー?ホントー?日本人に見えるな〜。」と来る。私はニコリともせず、日本で生まれ育ったという説明ももちろんせず、一人じっと話題が変わるのを待つ。

当時の私は、韓国人を嫌いになりはじめていた。韓国人と接するのが恐怖だった。私は韓国人が嫌いで、彼らの感覚はどんなに時が経ったとしても到底理解できないと思い、「韓国や韓国人を知りたい」という一心でサイパンまで来てしまった自分の選択を呪っていた。そんなふうに韓国人と一向に馴染めなかったにも関わらず、しゃかりきになって「私は韓国人」と肩に力が入ってた。そうやって自分自身を洗脳してたのかもしれない。そうする事によって、いつか韓国人としての自分を見出してやるという意地であったかもしれないし。それとも、ただ単に他に方法が思い当たらなくて「私は韓国人」と言い続ければ韓国人になれるんじゃないかとぼんやり思っていたのだろうか・・・。 そう、私は韓国人が嫌で嫌でたまらなかったくせに、一方では少しでも彼らの気持ちを理解しようと神経を研ぎ澄まし、そして一日も早く「韓国人になりたい」と切望してるようなところがあった。
あれから9年が経った。振り返ってみると、私は私の歩くべき道をちゃんと歩いてきた気がする。一生かかっても相容れないと思ってた韓国人と、心から笑い合い、語り合えるようになった。とどのつまり、「血」だろう・・・。最初の頃に比べて、言葉もかなり上達した。 私から言わない限り、在日出身だとバレる事は、まずない。韓国の地理をよく知らなかったり、韓国人なら世代を問わず誰もが知ってる国民的歌手の名前を知らなくてギョッとされる事はあっても・・・。そうやって、何の疑いもなく韓国人として見られると、今度は「私、実は日本人なんだよ〜ん♪」と言ってみたくなる。韓国人に「私は日本で生まれ育った韓国人」というと、「な〜んだ、じゃあ、日本人なんだね。」とあっさり言われる事がある。サイパンに来た当初は、そういう反応がこの上なく悲しかった。私一人しゃかりきになって、相手がこっちを向いてくれるように必死にあがく片思いのような心境だった。でも今は、どこかで力がふっと抜けた、そんな感・・・。そう、私はどこかで、「日本人」なんだ。どうしようもなく、自分でも情けなくなるほどに「韓国人」であると同時に、日本人でもあるのだ。そんな当たり前の事が、最近になってようやく自然な事として受け止められるようになった。そんな自分がちょっぴり嬉しくもある。ただ単に年を食ったというだけの事かも知れないけれどね・・・!

Kライター:りょう子

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 Vol.1 はじめに  Vol.2 日本人みたいな韓国人
 Vol.3 凧  Vol.4 美容院のアジュンマ
 Vol.5 サイパンで息づく韓国の食文化  Vol.6-1 交通違反-前編
 Vol.6-2 交通違反-後編  Vol.7 クモンカゲ(穴ぐらのような店)
 Vol.8 サイパンのランドリー事情  Vol.9 サイパンの韓国人社会でブームの「ノニ」





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