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城邑民俗村・ソンウプミンゾクチョン -南済州郡表善面城村里-
城邑民俗村は朝鮮時代には済州行政3県のうちの1県、正義県の県庁があった古い都のあったところで、現在も昔とかわらぬライフスタイルで島人が先祖代々住んでいる。国家重要民俗資料第188号に指定され景観が法律によって保護されており、増改築や修理にも国の許可がいるという、めずらしい民俗村だ。村の家々は済州独特の茅葺きの屋根が特徴で、屋根には、かぼちゃや野生ウリのツルをはわせ、風の屋根おさえにしたりする。
家を風から守るためにかこむ石垣は、黒い火山岩作りで、3つの石の力の関係を巧みに利用してちょっとやそっとの風ではくずれないように積み上げられている。実際押してみるとわかるが、なかなか丈夫なのがわかる。

この済州島の村には、門がない。そのかわり民家の入口に3本の棒を横に通せるようにしてある。片側が全部はずしてある場合は「家におります。どうぞおはいりください」、1本通してあれば「ちょっと近所へ行ってきます」、2本なら「半日いません」、3本は「しばらく留守にしますので、みなさんよろしく」という意味だそうだ。食用犬が庭先に飼われていたり、家でちょっと食べるために、庭の隅の畑にエゴマの葉やトウガラシが植えられている。夏の終わりにはエゴマが道いっぱいに干してあったりするのも見られる。村の小さな広場には、木が植えられ、木のまわりに石造りのベンチのようなものが作られていて、村人の井戸端会議やお昼寝の場所に使われる。民家は一般公開したり、民俗食堂を経営しているので、たずねてから入ってみるとよい。済州の黒豚を人糞処理のために住まわせた伝統的なトイレもある。村には人の話声、ゴトゴト、ガッタンといった暮らしの音や、家畜の鳴き声や草陰の虫の音、小路をふきぬけていく強い風の音といった済州の田舎らしいのほのぼのとした情景がある。天然記念物の1000年樹のケヤキとエノキは台風15号で大枝が一部折れてしまう被害をうけたが健在だ。

村ではカロッ(褐衣)と呼ばれる青い小粒の渋柿を木臼で挽いた褐色の染物作りがさかん。カロッは日本でいう作務衣のように、伝統的な野良着として島人が昔から着てきた。村の日々の伝統的な生活のなか、ごく普通に民家の軒先を利用して染めたり、干したりという作業がおこなわれる。カロッは済州市内の店で買うより村で買えば5,6割は安いので、気に入ったものがあれば躊躇せずに多少汚れがあったり、ホコリをかぶっていても買うべし。カロッは洗えば洗うほど風合いがでてくるので大丈夫。このごろは服だけではなく、帽子やバック類まで品数が多い。

済州島には観光客誘致のために後年作為的に作られた民俗村がいくつかあるが、本物の民俗村はここだけ。済州島の鄙(ひな)が好きという人にはおすすめ。日の出と黄昏時が特に美しいので、プロのカメラマンもうならせるほどだ。

 
Kライター:高R美






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